糖尿病内科とは

糖尿病内科

糖尿病内科では、糖尿病をすでに発症している患者さんだけではなく、糖尿病予備軍とされる方、糖尿病による合併症(ある病気が元になって起こる別の病気)を発症している患者さんなどを対象としています。また、健康診断でメタボリックシンドロームと指摘された、血糖の数値が高い、といった方などもお気軽にご相談ください。

以下のような症状がある方は受診をお勧めします

  • 健診等で「血糖値の異常」を指摘された
  • このごろ目立って太ってきた
  • いくらでも食べられる
  • 急に甘いものがほしくなる
  • よく食べるのに痩せる
  • ひどく喉が渇く
  • 尿の回数が多く、量も多い
  • 尿の臭いが気になる
  • いつも残尿感がある
  • 下腹部が痒い
  • 手足がしびれる
  • 足がむくむ
  • やけどや怪我の痛みを感じない など

糖尿病とは

糖尿病とは、常に血糖値の高い状態を言います。血糖値とは血液中のブドウ糖濃度のことで、健康であれば、膵臓から分泌されるホルモンの一種インスリンが血液中の糖分を組織に取り込ませることで、上がった血糖値を下げるという働きをします。

しかし、これが何かしらの原因で働かなくなる(インスリンの分泌量が足りなくなる、あるいは量が充分であっても機能しなくなる)と、食事などをすることにより血液中の糖分が吸収されることで上がる血糖値は、下がることなく常に高い状態が続くようになります。そして、血液中の糖分(血糖)が増えてしまい、これが長期間続くと、肝臓で脂肪になったり、腎臓から尿糖が排泄するようになります。この状態が糖尿病です。

糖尿病を発症すると、細小血管を中心に血管がダメージを受けるようになり、動脈硬化を発症するようになります。自覚症状が乏しいことから糖尿病は放置しやすい疾患ですが、何もしないままだと、糖尿病による合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症)を起こすリスクが高まります。さらに動脈硬化を促進させると大血管障害(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)を発症することもあります。

糖尿病の種類について

なお、糖尿病を発症するパターン(インスリンが出なくなる、あるいは機能しなくなる状態)は1つとは限りません。主な種類として4つのタイプ(1型糖尿病、2型糖尿病、二次性糖尿病、妊娠糖尿病)に分類されます。

1型糖尿病は、インスリンを産生する膵臓のランゲルハンス島β細胞が主に自己免疫によって破壊されることで、インスリンが分泌されなくなる状態です。2型糖尿病は、一般的に糖尿病と呼ばれるもので、全糖尿病患者の9割以上を占めます。日頃の不摂生な生活習慣(エネルギーの過剰摂取、運動不足)などが原因でインスリンの分泌不足や機能低下を招きます。

また二次性糖尿病は、遺伝子異常や特殊な病気(内分泌疾患や膵疾患、ウイルス感染など)、あるいは薬剤・化学物質の影響などが原因で発症する糖尿病です。なお妊娠糖尿病については、完全なる糖尿病ではありませんが、妊娠時は高血糖状態に陥りやすく、糖代謝異常の状態になることを言います。

治療について

糖尿病は完治させるのが困難な病気なので、治療には長い時間を要することになりますが、大事なのは、血糖値をしっかりコントロールして、合併症を防ぐことにあります。その中でも基本ともいえる治療方法が生活習慣の改善で食事療法と運動療法です。

当院で食事療法を行う患者様には、最初のうちから糖質制限を行うとすぐに対応できなくなるおそれが考えられますので、無理のない食生活を提案しております。具体的には、炭水化物・タンパク質・脂質の割合を、5:2:2としております。この比率は、これまでの経験から患者様がストレスを感じることなく長続きできる値でもあります。無理をさせないこと、またどのような食事を行うことで血糖のコントロールがしやすくなるかといったことも理解していただくことが長く続けられる秘訣だと考えています。

また、運動療法についても無理のないプログラム(散歩やウォーキング程度の有酸素運動など)で長く続けられるメニューを提案しておりますので、ぜひご相談ください。運動療法には、肥満の解消のほかにも、食後に運動を行うことで食後高血糖を抑える、運動を持続していくことでインスリン抵抗性を改善させるという効果も認められています。

なお、食事療法や運動療法のみでは大きな改善がみられない場合ですが、1型の場合は、多くの場合インスリン療法(注射)になります。インスリン療法とは、注射により体外からインスリンを適切に補充する治療(1日4回の注射が必要)です。インスリンを補充することで血糖値のコントロールが容易となりますが、食事療法と運動療法は並行して行います。

2型の場合は、食事療法と運動療法に追加する形で薬物療法が行われます。主に経口血糖降下薬の服用により、血糖のコントロールを得られるようにします。なお、経口血糖降下薬には、インスリンの分泌量を増やす薬、インスリン作用を改善する薬、糖の吸収と排泄を調整する薬などがあり、患者様の症状などから医師が処方する薬を判断しますが、場合によっては他の薬と組み合わせることもあります。また、薬物療法でも効果がみられない場合は、インスリン療法が行われます。

糖尿病の合併症

糖尿病では、きちんと「血糖コントロール」をしないと、血液中に溢れたブドウ糖が全身の血管にダメージを与え、様々な合併症を招くようになってきます。
合併症というのは、ある病気が元になって起こってくる、別の病気や症状のことです。
糖尿病の合併症には、三大合併症と言われる「糖尿病網膜症」「糖尿病性神経障害」「糖尿病性腎症」などがあります。

糖尿病の三大合併症

糖尿病網膜症
目の内側には、網膜(目から入った光が像を結ぶ場所)という膜状の組織があり、光や色を感じる神経細胞が敷きつめられています。高血糖の状態が長い期間にわたって続くと、ここに張り巡らされた細い血管が動脈硬化による損傷を受け、血流が悪くなって栄養と酸素が十分に供給されず、視力が低下してきます。進行してしまうと出血や網膜剥離を引き起こしたり、時には失明に至ったりするケースもあります。また、白内障になる人も多いと言われます。
糖尿病網膜症は、かなり進行するまで自覚症状が無いことも少なくないので、「まだちゃんと見えているから大丈夫」といった自己判断は禁物です。糖尿病の人は、目に特別な異常を感じなくても定期的に眼科を受診し、検査を受ける必要があります。
糖尿病性神経障害
主に足や手の末梢神経が障害されます。その症状の出方は「手足のしびれ」「やけどや怪我の痛みに気づかない」などです。ほかにも胃腸の不調(下痢や便秘)、顔面神経麻痺、立ちくらみ、発汗異常、ED(勃起不全)など、多様な症状が現れてきます。
糖尿病性腎症
血液を濾過して尿をつくる腎臓の糸球体(しきゅうたい)という部分の毛細血管が傷害を受けて機能が損なわれ、だんだんと尿がつくれなくなってきます。やがては人工透析と言って、機械で血液の不要な成分を濾過し、人工的に尿をつくらなければならなくなったりします。すると週に2~3回、定期的に病院などで透析を受けるようになるので、日常生活に大きな影響が及んできます。現在、人工透析になる原因の第1位が、この糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症も自覚症状が無いままに進行しますので、早期に発見するためには、定期的に腎機能を検査する必要があります。

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